とても清潔感あふれ、古臭さを感じないサウンドを奏でていますが、Cocteau Twinsの高貴さやSlowdiveのフワフワ感、70年代のニューウェイブの疾走感と雰囲気なども持ち合わせ、明らかに古き良きエッセンスを吸収しています。しかしこれが逆に現代風の新しさが生み出している一因なのでしょうか。とにかく音に深くリヴァーブがかかっていて気持ちいいし、フィードバックノイズもとても美しい。まるで透明なきれいな水の中を泳ぎ回っているような感じで、とにかく聴いててうっとりしてしまいます。最近ではAPOFなど、轟音で勝負するアーティストが多いですが、耽美な音に重点を置くバンドが少ない気がするのは私だけでしょうか。それだけにこういうバンドを待っていた、と作品を聴きながら興奮してしまいました。
シングルとして出されたTwilight Bloomをはじめ、名曲目白押しの1stは必聴です。LushやSlowdiveなど耽美なバンドが好きな人は絶対はまります。
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The Daysleepers - Release The Kraken
シューゲイザーのカテゴリですが、今回は変わった種のバンドを紹介します。
はてなブックマークを周ってたところ、面白い記事を見つけたので。といっても一年ほど前の記事のようですが(笑)
■baroqueのアルバム「Sug life」がmixiのレビューで神扱いな件について
そのブログ記事のタイトルが示す通り、Baroque唯一のフルアルバムである「Sug life」が、とても素晴らしいとのことです。2004年に発表された作品で、これを最後にBaroqueは解散してしまったのですが…。
BaroqueはいわゆるV系のバンドで、メジャーデビュー以前から絶大な人気を誇っていたバンドでした。活動初期こそ、過激な衣装を身に纏っていたようですが、メジャーデビューに至る間にどんどん普通の服装になっていったそうな。それと音楽性の変化も伴い、以前の固定ファンはどんどん離れていき、メディアの間でも「Sug life」は大して話題にならなかったとか。アルバムに収録されているシングルのPVを拝見したところ、確かにV系とは言い難く、それは完全に下北系のお兄さんでした。
当時冷遇されたこのアルバムが何故素晴らしいのかですが、そのブログ記事を書いた方曰く、V系が初めて本格的にシューゲイザーに挑戦している、とのこと。
Baroqueの音楽性は、簡単に言ってしまえばミクスチャー系。それもDragon Ashからの影響が色濃い音色やターンテーブルが印象的なバンドです。それらを踏まえて作り上げられたこの「Sug life」という作品は、辺りを包むように鳴らされるギター、甘いメロディ、脱力したヴォーカルが極まり、まるで角砂糖をなめているような感覚を味わうことができます。実際に彼らがシューゲイザーに影響されたのかは定かではありませんが、如何でしょう?十分に本格的なサウンドではないでしょうか。
ブログ記事を書いた方曰く、
推測するに、
ドラゴンアッシュがあたりが好き → それっぽい曲を作った → ギターは歪んでた方がいいよね → 宇宙的に2人で好きに弾こうぜ! → 結果、ギターサウンドがカオスに → ドラムもいないし、打ち込みで、ついでだからシンセもいれちゃおう → この曲あんまり頑張った感じで歌うのよくないよね
→ 力抜いて歌おうかな
という経緯で、たまたまシューゲになっちゃった「天然シューゲイザー」だと思うんですよ
スゴイですよ。そんなの、ありえない!
と半ば興奮気味(笑)。本当にこの経緯を辿ってたどり着いたサウンドであるのならば、彼らのサウンドへの飽くなき追求心は相当なものだったろうな、と感心してしまいますが。
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1st 「Sug life」 2004年発表
Baroque - ガリロン
他にも同アルバムの楽曲では Nutty A Hermit. という曲もお勧めです。
おそらく日本においてCOTDと双璧をなすシューゲイザーバンドといえばLuminous Orangeだろうか。
1992年に竹内理恵(Vo/G)を中心に結成されたバンドだったが、目まぐるしいメンバーチェンジを経て、現在は彼女だけがオリジナルメンバーとして活動している。
果実を搾り出すようにキリキリと悲鳴を上げるギターノイズに、風通しのいいフワフワとした女性ヴォーカルが絡むスタイルがこのバンドの特徴で、これが女性アーティストらしい可愛らしさを生み出している。ギターの甲高いメロディーは非常にカラフルで、まるで部屋の壁にペンキを撒き散らすかの如くである。しかし、変拍子なサウンド展開と不思議なコード進行、さらにはアヒト・イナザワ(NUMBER GIRL、ZAZEN BOYSの元Dr.)が参加している手数の多いドラミングは、まるでSonic Youthのようであり、オルタナ系列からの影響の強さも見て取れる。
そのため、他のバンドに比べるとシューゲイザーとしての雰囲気は薄く、むしろ不思議な匂いを放つ実験的なロックバンドという印象が強い。しかし彼女がPale Saintsからインスパイアされたと語るように、浮遊感のあるシューゲイザーの特徴はバンドにしっかりと刻まれている。独特の甘酸っぱい雰囲気を醸し出すサウンドは、まるで思春期の恋愛模様そのもので、自転車に女の子と二人乗りして青空を仰ぐサウンド(?)とでも言いましょうか。そんな可愛らしい雰囲気もこのジャンルではまた印象的である。Luminous Orangeを聴いてそんな思春期を思い出すことができた勝ち組みのあなた、おめでとうございます。
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4th 「Drop Your Vivid Colours」 2002年発表
Luminous Orange - Every Single Child 「Sakura Swirl」収録
シューゲイザーは現在、今まで何回も書いてきた通り、再評価されている。ただ、漠然とジャンルを語ろうとすると、どうしても海外のバンドを紹介しがちになってしまう。もちろん、海外で生まれたジャンルなので当然ではあるのだが、ここ日本にもこれから活躍するであろう新芽は確実に存在する。その中の一つが、今回のHartfield。
おそらくこのバンドは、日本のバンドの中でもシューゲイザーの魅力を最もわかりやすく体現しているのではないだろうか。ジャンルの最大の魅力である洪水のような轟音ノイズに関しては特にすごい。まるで氾濫した川の激流が襲ってきているようで、その分厚いサウンドは周りの景色すべてを飲み込もうとしている。他のバンドに比べて、ノイズの音も水の流れのように心地よいため、それがさらにイメージを膨らませる。
分厚いサウンドの中を、男女混同ヴォーカルと純白のキラキラしたメロディがふわふわと漂うため、ドリームポップの要素も強く出来上がっている。ただし、これはあくまで1stアルバム「True Color, True Lie」を聴いた印象。この作品はシューゲイザーと言わずになんと言う、と言えるほどジャンルを意識したアルバムで、ジャンルの魅力が存分に詰め込まれている。ラストトラック「Stand By Me」に関しては、個人的にシューゲイザーの名曲BEST5(?)に入れても良い、と思うほど素晴らしかった。
Hartfieldは、まだ二作しか出していませんが(1st、mini)、アジア版やUS版がリリースされるなど海外でも認知度を高めており、果たして今後のブームの波を後押しする存在になるか…。非常に注目のバンドです。
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1st 「True Color, True Lie」 2003年発表
Hartfield - Reason
Ulrich Schnauss(ウルリッヒ・シュナウス)はドイツ出身の宅録アーティスト。個人的には純粋なエレクトロニカとして紹介したいのですが、エレクトロ・シューゲイザーとして注目されているということなのでこの項で。
エレクトロアーティストと言うこともあり、アンビエント風味溢れるサウンドがとても心地よい。アンビエントと言えば、空間を司るように壮大で、包み込むように優しく鳴り響くいわばBGMのような効果が強いインスト音楽をさす。Ulrich Schnaussのサウンドはまさにそれを基盤にしている。最近強く思うのが、エレクトロアーティストの鳴らすサウンドが、しばしばシューゲイザーの耽美なサウンドと似ているということ。Slowdive達がエレクトロニカに与えた影響を考えれば当たり前なのかもしれないけど、この二つのジャンルは切っても切り離せない関係なんだと改めて気づかされる。
彼もシューゲイザーのサウンドにインスパイアされた一人。同じエレクトロシューゲのGuitarはマイブラを意識しているのに対し、こちらはSlowdiveに影響された、といったところだろうか。とにかくエレクトロ・シューゲイザーなるジャンルは現在、最も目が離せない先進的な音楽と言えるだろう。
2nd 「A Strangely Isolated Place」 2003年
Ulrich Schnauss - Monday-Paracetamol
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